BMWでは、今年のアメリカンルマンレースにエントリーしないことを正式に発表した。事の発端は昨年のロレックス24時間デイトナレースでのこと。BMWはまるで市販の『M3』のように見える新しいレーシングカー、『M3 GTR』で参戦した。ただしフードの下にあるのは6シリンダーエンジンではなくV8。
他のチームが、このM3に対して「ルール違反である」と反発した。というのもこのレースでは一般の人も購入できる車で参加、というルールがあったためだ。そこでBMWでは特別仕様のこの車を、限られた数ではあるが市販にも回すことにした。
しかし年度末になって、レース開催側も他のチームからの抗議を受け入れ、M3が他のレースカーに比べてアドバンテージを持っていた、と判断、ペナルティを課すことを決定した。ただしM3はシリーズで好成績を納め、人気も高いため主催側も譲歩し、M3の使用を禁止するのではなく現行レースカーに車重をプラスするよう求めるに留まった。
BMWではこの決定に満足せず、「F1に専念するため」としてアメリカンルマンレースからの撤退を表明。関係者にショックを与えている。