違法報道でひき逃げ犯に! ……男性の無念晴らせず

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新聞社の違法な報道が原因でひき逃げ犯として誤認逮捕・起訴されたとして、山形県高畠町在住の54歳男性が、取材を行った地元新聞社と国、県を訴えていた民事訴訟で、山形地裁は29日、時効を理由に原告の請求をすべて棄却した。

裁判の発端となった事件が発生したのは1984年7月。高畠町で死亡ひき逃げ事故が発生したことに始まる。地元新聞社の記者2名が事故現場での目撃証言などから、この男性が怪しいと判断。自分たちの身分と取材であることを隠して原告の男性に接近し、男性の所有するクルマを調べた。その結果、バンパーなどについた傷から「この男性が犯人である可能性が高い」と山形県警に通報。県警も事実調査をしないまま、この男性を逮捕してしまった。

逮捕当初は必要な物証を得ることができず、処分保留で釈放されたが、それから5カ月後に「新たな物証が得られた」として、検察がこの男性を在宅起訴した。しかし、後の調査で得られたはずの物証は警察による捏造であったことが判明。刑事裁判でも無罪判決を得られたため、新聞社に対しては謝罪広告の掲載を、警察を管理する県、検察を管理する国に対しては損害賠償を求めていた。

判決で山形地裁の手島徹裁判長は、新聞報道の違法性については一部認めたが、すでに時効が成立しているため請求を棄却。県と国についても「捜査に違法性はない」として、こちらも棄却した。

《石田真一》

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