岩手県警は7日、職務質問中にパトカーを奪って逃走した22歳の男を、1時間20分に及ぶ追跡劇の末に逮捕したことを明らかにした。追跡には県警のヘリコプターまで出動、県警の全捜査員に緊急の一斉配備を命じるなどの騒ぎに発展した。
事件が起きたのは7日の午後4時30分ごろで、日本道路公団から「東北自動車道の盛岡インターチェンジを料金未払いで突破したクルマがある」との通報を受け、盛岡西警察署のパトカー2台が出動した。その後、市内のパチンコ店駐車場で該当のクルマを捜査員が発見。クルマの近くにいた男2人をそれぞれのパトカーに分乗させ、職務質問を行おうとした。ところが、このうちの1人が警察官の隙を突いて乗り込んだパトカーのドアをロック。そのまま運転席に乗り移り、パトカーをそのまま発進させた。現場には5人の捜査員がいたが、その場でクルマを止めることには失敗した。
県警は捜査員の通報を受け、県下に緊急配備を行うとともに、盗まれたパトカーの行方を追うため、県警のヘリコプター1機も出動させた。この間、県警には市民から「パトカーが無謀な運転をしている」との通報が相次ぎ、その目撃情報から徐々に追跡の範囲を狭めていった。そして事件発生から1時間15分後、現場から2km離れたアパートの駐車場に止められていたパトカーを発見。付近の商店で聞き込みを行っていた捜査員が、店員からの「関西弁でどこかに電話をかけていた不審な男がいた」との証言を得て、近くの路上を歩いていた男を見つけ、窃盗の疑いで緊急逮捕した。
男は逮捕当時に「自分は大阪在住の40歳だ」と言っていたが、その後の調べで22歳の男であることが発覚。しかも大阪府警から窃盗容疑で指名手配をされていたという。