「ION」と書いて、イオンではなく『アイオン』と発音するサターンのニューモデル。ショー前日には、ニューヨークのあちこちに「Keep eye on the big apple」と書いた直径8mほどの巨大な「りんご」を出現させていたが、この「eye on」とは「アイオン」のことで、テロに屈しないニューヨークをみんなで応援してちょうだいね、という意味のりんご(ビッグ・アップルはニューヨーク市のニックネーム)は、サターンの小意気なキャンペーンだったというワケだ。
サターン・クーペは片側だけ観音開きのワン・ツー・ドアだが、こちらはマツダ『RX-8』と同じ4シータ−の両側観音開きだ! しかも、RX-8より先に登場じゃないか! と思ったら、どうも発売時期は正式には「未定」らしい。発売時期どころか、このカタチも「決定ではない」ようだ。記者会見では「24カ月以内に、こういう感じの魅力的なモデルを出します」という話だった。まあ、ちょっと速めに「アイオン」の存在をアピールするというのが目的なのだろう。
しかし、観音開きのサイドドアをよく見ると、ラッチの位置や形も、ドアの開く感じも市販レベルだ。内外装にカーボン調の樹脂パネルを使っているのも、プラスチック外板方式のクルマをずっと続けてきたサターンでは、珍しくはない。新しいプラットフォームをつかって、この手のクルマを出してくるような気がする。