トヨタがCARTをやめてIRLに参戦する理由…「ビジネスとして成立するか」

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
トヨタがCARTをやめてIRLに参戦する理由…「ビジネスとして成立するか」
トヨタがCARTをやめてIRLに参戦する理由…「ビジネスとして成立するか」 全 4 枚 拡大写真

すでに2003年からIRLへのエンジン供給を表明しているトヨタは、「CART参戦チームから要望があればCARTにもエンジンを供給する用意がある」としてきた。チームからのリクエストを受け付ける期限は6月1日で、これはエンジンを製造する準備期間を考えた上でのリミットだった。ところが、チームからの要望はいまだにない模様。チームがIRLとCARTを天秤にかけ、悩んでいる様子がうかがえる。

CARTからIRLへの流れを促進するのがホンダのIRL参戦発表で、これでますますトヨタがCARTでリクエストを受け取る可能性が減ってきた。TRD USAでエンジン開発の陣頭指揮をとる林博美シニア・エグゼクティブ・コーディネーターによれば、「発表の時期までは知らなかったが、話はオフシーズンのテストの頃から聞いていた」ため、ホンダのIRL参戦に驚きはなかったという。「しっかりしたコンペティターにいて欲しい気持ちはありますが、ホンダさんとやるのは大変、という気持ちもありますね」と苦笑する。

CARTへのエンジン供給が実現しない場合、トヨタが財政的なダメージを被るのかといえば、そうでもない。2003年のトヨタのアメリカン・オープンホイール・レースのメインはIRLで、CARTへのエンジン供給は利益が見込めなければやらないからだ。

「トヨタはすでに2003年のメインはIRLだとはっきり言ってあります。TRD USAのビジネスになればCARTのエンジンを供給する。ビジネスが成立する台数は10台。それ以下しかリクエストがない場合は、供給を検討することになるでしょう。というのも、TMS(米国トヨタ自動車販売)はマーケティング効果のあるインディ500しか見ていませんし、日本からは『TRD USAは独立したビジネスをやれ』と言われているからです」

日本の研究所とアメリカの拠点とで共同開発を進めていたホンダに対し、トヨタは早い時期からアメリカの拠点(=TRD USA)で、研究・開発・製造のすべてを行えるよう準備を進めてきた。現状ではパーツの製造を内製と外注の2系統でまかなっているが、これも将来的には内製に一本化する予定だ。

「トヨタは人も予算もF1に集中するということでしょう」。日本のトヨタはF1に全勢力を傾注、アメリカのレースはアメリカで、という流れが進みつつある。

★★★2002年夏のボーナスでねらうカーナビはこれで決まりだ!! 春夏の新製品では4社から投入されたHDDモデルに注目。それぞれ新メディアを活かしたアイデアを満載する。---

《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る