【使ってみました】ETC利用から半年……実用上の問題が見えてきた

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期間割引制度やカー用品店の割引サービスなどを利用すると装着費用の元が取れることが判明したので、記者は昨年12月にETC車載器を購入した。12月から2月までのスノーボード、3月から6月までのカヌー行などのドライブで積極的にETCを利用して、実務上の問題があることが判ってきた。利用率が2%前後の今、国はETCの運用について見直すべきだろう。

まず一番に上げたいのが車載器取付費用の高さ。第2世代車載器が世に出始めて下がってきたものの、まだまだ本体価格は2万円以上。ほかにセットアップ費用や工賃等も含めると3万円以上してしまう。これでは、ETCが便利という評判がたっても手が出ない。せめて本体価格は1万円以下でないと、爆発的な普及は見込めないだろう。

割引も前払いで最大13.8%。ハイウェイカードの割引と同率だ。期間割引制度と同じ割引率20%なら普及も見込めるのではないか。ハイカよりも割引率が高ければそれだけでも魅力に感じるドライバーは多いはず。料金所渋滞を回避する役割を担っているETC搭載車には他車より割引率を高くすべきだろう。さらに料金所渋滞によるアイドリングやアクセルのふかし過ぎをなくす効果を考えれば、割引率20%は高くはないはずだ。

ETC専用レーンがなく一般車との併用レーンのみの料金所がまだまだ多いのも不便を感じるところだ。横浜新道下りを見ると新保土ヶ谷、今井などでは1−2カ所の専用レーンがあるが、戸塚料金所の専用レーンは1カ所のみで2カ所が併用レーンとなる。交通量では戸塚料金所が多いのに、数が少ないのは不便だ。首都高料金所でも閉鎖中のレーンがあるにも関わらずETC専用レーンを設けていないところが多い。使用していないETC未対応レーンを一般車両用にすれば、よりスムーズにETC搭載車は料金所を通過できるはずだ。

関越自動車道・新座料金所など、10レーン以上あるような料金所での運用ももう一工夫がほしい。料金所渋滞に悩まされ、目の前にETC専用レーンが見えているのにたどり着けなくてイライラすることが何度もあった。ETC専用レーンの両側に一般レーンがあり、そこに向かうクルマがETC専用レーンを塞ぐ形で並んでいるのが原因だ。

料金所の手前300mあたりはどのクルマも各自空いているレーンに向い、整然と走ってはいない。ETC搭載車がスムーズに専用レーンにたどり着ける工夫がほしい。ETC搭載車は料金所渋滞に遭わないような工夫までは不可能と思うから、せめて料金所直前のスムーズな流れの確保については努力してほしい。

またETC搭載車はVICS対応ナビの装着も多いはずだ。その機能を使わない手はない。料金所の1km手前からETC専用レーンを告知してくれるようになると、どの車線を走ればいいかが判る。同じ道路交通管理に関する機関なのだから、ETCを管轄するORSEとVICSセンターは連帯すべきだ。

さらにブース通過直後にある閉鎖バーはいつも不安を感じる点だ。実際、友人でバーが開かず接触したという話を聞いている。ETC車載器に表示される料金を横目で見ながらバーに近づくので、とっさの停止ができるかいつも不安を感じながら通過している。あと10mほど前方だと不安感が減少するだろう。

とは言え、一度利用すると、手放せないのがETC。両側に並ぶ10台以上ものクルマを横目に見ながら、すーと通過していく快感は、何ものにも替えることができない。利用台数が少ない今、当局はユーザーが感じている不満を吸い上げ、より快適なETCライフを過ごせるようにシステムを改善していくのが課題だ。

《編集部》

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