三重県警は29日、自動車専用道路を盗んだ自転車で走っていた55歳の男を窃盗容疑で逮捕したことを明らかにした。この男は東京都内を今月10日に出発し、最初は徒歩で、静岡県内からは盗んだ自転車に乗って関西方面を目指していたという。
警察の調べによると、事件が発覚したのは伊勢自動車道路を走っていたドライバーからの110番通報だったとしている。28日の午後11時30分ごろ、伊勢道を走る複数のドライバーから「自転車が路肩を走っている」という内容の110番通報が寄せられた。三重県警の高速隊が周辺捜索を行なったところ、29日未明になって芸濃インターチェンジ近くで自転車を止めて路肩で休んでいる男を発見し、検挙した。
この男は都内に在住していた55歳の男で、仕事が見つからず家賃を滞納するようになったことから「迷惑は掛けられない」と、他の街に移動することを決めた。しかし、現金の持ち合わせがわずかしかないことから、今月10日ごろから徒歩で西進を開始。16日間掛けて静岡県掛川市まで到達したところで、スーパー駐輪場に止められていたカギ付きの自転車を見つけ、これに乗り換えてさらに西を目指した。
自転車を得てスピードアップしたことに気を良くしたのか、亀山インターチェンジで料金所係員の隙を狙って自動車専用道の名阪自動車道に進入。その後に伊勢道に入った際にも同様の方法で料金所をクリアしたとしている。
警察の調べに対し、男は「津(三重)と大津(滋賀)を間違えた。ここで間違えなければ今頃はもっと先に行けたのに」と後悔する供述を行なっているという。