走行中のクルマから飛び降り!! 予見不可能な状況に直面したら?

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3日未明、埼玉県新座市内の関越自動車道下り線で、走行中の乗用車から転落した27歳の女性が後続車に次々にはねられ、死亡するという事故が起きた。警察では女性をはねたまま現場から逃走していた20歳と21歳の男を3日深夜までに逮捕している。

警察の調べによると、この事故は3日午前1時30分ごろに新座市内の関越自動車道で起きた。27歳の女性から「死にたい」という内容の電話を受けた父親がこの女性が一人暮らしをしている都内に出向き、この女性を連れて比企郡にある実家に戻ろうとした。ところが、この女性はクルマが100km/hほどのスピードで関越道を走行している際、突然後部座席のドアを開いて路上に身を投げた。父親は慌ててクルマを路肩に止めたが、後続のクルマが次々とこの女性をはね、そのまま逃走していった。女性は全身を強く打ち、まもなく死亡している。

警察では女性がクルマから飛び降り自殺を図ったものとみているが、女性をはねた後続車が現場で停止せずに走り去ったことから一般のひき逃げ事件として捜査していた。当時の通行量は少なくないことから、クルマの特定にはかなりの時間を要すとみられていたが、3日深夜になって容疑者が「ニュースで大事故になったことを知った」と、長野県警・軽井沢警察署に出頭してきた。クルマに接触痕が認められることから、長野県警では午後10時30分に2人の容疑者を道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕し、4日未明に埼玉県警へ引き渡した。

取調べに対し、2人は「軽井沢にグループで遊びに行く途中、事故にあった。女性が飛び降りた瞬間は見ていない」などと供述しているという。

今回の事故の場合、「走行中のクルマから乗っている人が飛び降りる」という行為については予見不可能であり、はねた人をひいてしまったとしても「予見不可能」を理由に刑事罰を回避することもできた。問題なのは救護措置を怠って現場から逃走してしまったことで、このことから道路交通法で規定された「ひき逃げ」になってしまい、逮捕されてしまったというわけだ。

《石田真一》

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