3日夜、埼玉県川越市でタクシーと接触事故を起こして無灯火状態で逃走していたワゴン車が、路上で花火見物をしていた人たちに突っ込んだ。この事故で1人が死亡し、3人が重軽傷を負ったたが、ワゴン車はそのまま逃走した。埼玉県警は目撃情報などから、4日夜に23歳の自動車販売業の男を業務上過失致死傷と道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転)容疑で逮捕している。
警察の調べによると、事故が起きたのは3日の午後8時10分ごろだという。川越市小仙波町の市道脇の畑で花火見物をしていた人の列に、無灯火で走行してきた黒いワゴン車が突っ込んできた。この事故で最初にはねられた92歳の女性が即死し、近くにいた男女3人が重軽傷を負った。4人をはねたクルマは、事故の直前に400メートルほど離れた場所でタクシーと接触事故を起こしており、当時は無灯火のまま猛スピードで逃走していた。4人をひいた後もワゴン車は停止しようとせず、そのまま逃走を続けた。
警察では悪質なひき逃げ事件として捜査を開始したが、このワゴン車から当て逃げされたタクシーの運転手などが事故を起こしたクルマのナンバーを覚えており、ナンバーから容疑者の身元を調べることになった。その結果、このクルマが東京都内の自動車販売店から販売されたものの、登録申請者の手にはまだ渡っていないことが明らかになった。このため、警察でこの販売店の関係者から事情を聞いたところ、23歳の社員が無断でクルマを持ち出し、事故を起こしたことがわかったため、4日夜までにこの社員を業務上過失致死傷と道交法違反(ひき逃げ、無免許運転)容疑で逮捕した。
男は免許停止中で、警察での取り調べに対して「売約済みのクルマを持ち出して事故を起こしたことが発覚するのを恐れて逃げた」と話しているようだ。