さまざまな機能/コンテンツ/サービスが期待できる『G-BOOK』。だが車載端末に限れば、もっとも基本的な機能はカーナビゲーションだ。カーナビ機能は通信契約を結ばなくても利用できる機能であり、ルートを引く演算は端末側で行なう。
しかし何より驚くのは、地図データは日本全国50m〜200kまでの縮尺が256MBのSDカードに収納されている点だ。
第5開発センターの第1電子技術部の池田幸洋氏によると、「特別な圧縮技術をG-BOOKのために開発しました」という。これにより、事実上不自由のない縮尺の地図すべてがコンパクトに収まったのだ。
思い出してほしい。DVDナビが普及する前、CD-ROMのカーナビでは日本全国をカバーするのに何枚ものCDが必要だった。それがわずか256MB以下に収まってしまうのである。
しかし50mの縮尺より小さい地図に関しては、その都度ダウンロードする。池田氏によれば、通信によるダウンロードではなく、すべてE-TOWERからSDカード経由で行うという。これは、現在の通信スピードと地図データ容量を考慮したのと同時に、通信契約をしないユーザーに対する配慮であることが予想される。
地図以外の情報(登録した目的地など)に関しても、基本的にSDカードもしくは端末内蔵のフラッシュメモリー(128MB)に保存される。つまり、カーナビ機能は基本的にローカルで完結するのである。
会場でのデモを見る限り、ナビ操作感はクラウンなどに組み込まれているメーカー純正ナビと変わらなかった。画面のインターフェイスもトヨタのナビそのもの。気になったのはVICSやETCに対応されていない点だが、池田氏は「もちろん導入を計画しています」という。単なる時間の問題なのは間違いない。