暴走族への威嚇行為は正当防衛---誤って兄を殺した弟、逆転無罪に

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兄を襲撃する暴走族を威嚇しようとクルマを走らせ、誤って兄をはねて死亡させたことで傷害致死と暴行の罪に問われ、一審では懲役3年(執行猶予5年)の判決を受けた弟(当時20歳)に対する控訴審の判決公判が大阪高裁で4日に開かれ、裁判長は正当防衛の成立を認め、逆転無罪とする判断を下した。

この事件は1998年7月に大阪府堺市の路上で発生した。交際中の女性を巡り、暴走族メンバー7人から木刀などで殴打される執拗な暴行を受けていた兄を助けようと、弟は襲撃の手を逃れてクルマに乗り込み、クルマをバックで急発進させた。ところがこの際に逃げ遅れた兄を誤ってはね、兄は出血性ショックなどで死亡させてしまった。

巻き込まれたメンバーなどの通報から弟は傷害致死と暴行の容疑で逮捕され、一審の大阪地裁堺支部の判決では「兄をはねたのは過失だが、暴走族に対してはケガをさせる意思があった」として懲役3年(執行猶予5年)の有罪判決を受けた。

しかし、弁護側は「兄を助けようという一心で行った。逃げ遅れた兄を気遣うことができないほど逼迫した状態で、執拗な暴行から助ける手段は他に無かった」として正当防衛を主張。大阪高裁に控訴していた。

4日の判決で大阪高裁の河上元康裁判長は「身の危険を感じるほど暴走族から攻撃され、前後不覚のままクルマに乗り込むほど動揺していた。そこには計画的な殺意はなく、過失があったとも言えない」と判断。さらに「クルマをバックさせた」という行為が「暴走族から受けた暴行に対する正当防衛であった」と認定した。結果、兄の死はその過程で起きた不幸な出来事だったとして、弟に対して逆転無罪とする判決を言い渡した。

《石田真一》

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