精細な画面を表示できるVGA規格の液晶モニターを得てからというもの、カーナビで表示される地図画面も年々詳細になっていった。最近では高速道路の入口はもちろん、周囲にあるビルの形状もしっかりと再現されるようになった。
今回発表されたイクリプス『AVN9902HD』はもちろんこの流れを踏襲している。全国1148エリアの市街地では3D表現を可能とした「ハイパーバーチャルタウンマップ」を用意している。ビルが林立した都市部でも、クルマの進行方向に合わせて立ち並ぶビルを透過表示していくようになっており、道路表示が建物の陰に隠れてしまうようなことはない。また、「XX階以上のビルを3D表示する」といった設定をすることができ、設定した階数よりも低い建物は敷地形状のみが再現されるようになっている。
この機種特有の機能としては、地上観測衛星『IKONOS』(イコノス)が高度680kmから撮影した上空映像をそのまま経路誘導画面として使える「サテライトショット(通称:IKONOS画面)」を追加したということだ。夏モデル『AVN8802D』でも表示させることができたが、クルマの現在地を衛星写真上にトレースするのみで、経路誘導画面としては使用ができなかった。
今回は政令指定都市を中心とした18地域でIKONOS画面を用意。線画と同様に誘導ルートを重ね合わせるレイヤー表示を行うことで、これを可能としている。ただし、クルマの速度が80km/hをオーバーすると線画表示に戻ってしまう。これについて、AVC本部・商品企画部の中井克幸さんは「安全上の問題があること」と説明する。
AVC本部の山口隆夫・商品企画部長は「対応する都市は今後のバージョンアップで増やしていく」としており、期待が持てそうだ。