【アゼスト『AutoPC CADIAS』発表】カーテレマティクス端末のあるべき姿

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【アゼスト『AutoPC CADIAS』発表】カーテレマティクス端末のあるべき姿
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8月下旬に発表されたトヨタ『G-BOOK』を皮切りに、ホンダ『インターナビ・プレミアムクラブ』対応機がそれに続くなど、『Windows CE for Automotive』をOSに採用した機種も徐々に増えつつある。しかし、ある意味ではこのCADIASこそがWindows CEをOSに採用したカーテレマティクス端末のあるべき姿といえるかもしれないのだ。

開発元のクラリオンがCADIASの前身である『AutoPC』を北米で発表したのは1998年。マイクロソフトが1997年に発表した『AutoPC Powered by Microsoft Windows CE 2.0』をOSとして採用した1DINサイズの端末で、CDプレーヤーのコントロールや、携帯電話と接続した状態でダウンロードしたEメールや交通情報の読み上げなどを音声コマンドで操作できることを特長としていた。同年12月4日から『Clarion AutoPC 301C』として1299ドルで発売を開始。現在は第2世代機にあたる『JOYRIDE』を発売、こちらはDVD-Videoや、MP3ファイルの再生も可能となっている。

日本では1999年に開催された第33回・東京モーターショーでAVNタイプのケーススタディモデルを初展示。OS自体も2000年9月のバージョンアップで「for Automotive Ver3.0」と名乗ることとなり、車載向け端末へより特化させることをアピールしている。従来はマイクロソフトが提供するアプリケーションをOSとセットで使うことが前提だったが、3.0以後はアプリとOSが明確に分けられた。アプリケーションをサードパーティが開発する道を作ったことで2001年以降、開発が加速度的に進む。

今回発表されたCADIASはAutoPCの第3世代機。同じOSを採用するトヨタやホンダはカーナビとしての機能を前面に押し出したが、このCADIASはクルマの中で使う専用のパソコンといった位置付け。パソコンとの親和性は非常に高いが、それに比例して依存度も高いのが実情だ。例えばCADIASでMP3ファイルを再生する場合、別のパソコンでエンコードしたデータをCD-Rに焼き付けた状態、あるいはPCカードで持ち込む必要がある。地図データも同梱されたCD-ROMから必要な部分をPCカードなどに切り出さなくてはならない。

メーカーも「単機能型カーナビでなく、何でもできて発展性のある車載PC」として販売していく方針で、主要とする購買層も「PC環境に慣れた30歳以上の男性」としている。メーカーが意図する発展性に「将来性がある」と感じられるなら、これまでにはない面白いアイテム。パソコンをクルマに持ち込みたい、AutoPCが作る未来を見たいという方にはマッチした商品だといえる。

《石田真一》

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