リコール隠しが原因---熊本の『パジェロ』追突事故:熊本簡裁

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2000年6月、熊本市内の国道3号線交差点で、ブレーキの効かなくなった三菱『パジェロ』が前車に追突。2人が軽傷を負ったという事故ついて熊本簡裁は16日、事故の原因は三菱自動車が行ったリコール隠蔽にあったとして、業務上過失傷害の罪で略式起訴された当時の本社品質技術本部部長ら幹部3人にそれぞれ罰金50万円の略式命令を言い渡した。

この事故は2000年6月20日、熊本県熊本市内の国道3号線を走行していた三菱パジェロが、交差点直前でブレーキが突然効かなくなり、前方で信号待ちをしていたクルマに追突したというもの。追突された側の2人が首などに軽いケガを負っている。

当初はブレーキホースが劣化していたことによる空気混入によって、効きが悪くなっていたとされた。ところが同年7月に発覚した大量のリコール隠しの際、事故を起こしたパジェロにはブレーキホースに亀裂が生じやすいという欠陥があったことがわかり、1500台がリコール対象とならず、ひそかに改修されていたこともわかった。

購入当初から使い続けているユーザーに対しては、定期点検時などに交換作業が行われていたが、中古車で購入したユーザーには知らされておらず、熊本で事故を起こしたクルマの所有者もリコール隠しが発覚するまで全く知らないままだった。

クルマの所有者は「事故の原因はリコール隠しを行った三菱自動車にある」と刑事告訴。熊本県警は2001年9月から捜査を開始し、当時の本社品質技術本部部長ら幹部3人を業務上過失傷害で書類送検。検察側は簡裁に略式起訴していた。

《石田真一》

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