トヨタが発表したWiLL『サイファ』には新情報端末『G-BOOK』対応機が標準装着されている。ネットワークにつながり、ユーザー好みの情報を自在にダウンロードできることが特徴だが、そこに隠れたもうひとつの特徴がある。それは標準状態ではオーディオレスが仕様となっていること。ナビとして使える端末が付いてるのに、オーディオが標準では付いていないという、ちょっと変わった状態だ。
ただし、オーディオレスだからといって音楽が聴けないというわけではない。G-BOOK端末から「SDオーディオ」、つまりSDカードに収めたMP3ファイルの再生や、あるいは「ライブナビゲーション」機能で購入したBGMの再生はできる。ただし、この場合も音が出るのはフロント2スピーカーのみ。リアと合わせた4スピーカーでの音を楽しみたいという場合には、純正のヘッドユニット(CD/MD/チューナー)と組み合わせる必要がある。
「基本的には純正オーディオとの組み合わせが前提となっています」とは、第5開発センターの第1電子技術部の久門仁さん。2DINサイズのスペースが確保されているため、ディーラーオプションのオーディオや、社外品を装着することも可能だが、この場合もG-BOOK端末からの音声は前の2チャンネル分しか出力されない。つまりはその性能をフルに発揮することができないのだ。
これについて久門さんは「ソフトウェアコントロールの都合上」と説明する。純正オーディオの場合、G-BOOK端末でSDオーディオを選択したときには自動的に「AUX」(外部入力)に切り替わるよう、ソフトウェアの連携が行われている。しかし、社外品にはその連携がなく、G-BOOK端末からの割り込みも前の2チャンネル分しか効かない。「最悪の場合、前からG-BOOKの音が、後からそのオーディオ自体の音が鳴るために混乱を招く、お勧めできない」(久門さん)という。
オーディオというと、どうしても社外品に目が向いてしまうが、WiLLサイファには純正品の装着をお勧めする。もちろん新支払いプラン『P-way』においても、純正オーディオは月額840円で設置することができる。