続いて乗ったのが1.5リットルエンジンを搭載した「スポーツX」バージョン。三菱『コルト』の中でも特に若い男性を意識したもの。こちらは内外装ともに精悍がテーマ。ヘッドライトもダークメタル調でキラキラとはしていない。引き締まった顔つき、という感じ。
コラムシフトをDレンジに入れ、アクセルを踏んだ瞬間に思ったのは「1.3よりもパワーがあるな」だった。アクセルを踏んだだけ、前へ前へと引っ張ってくれる印象を強く受けた。カタログ上のスペックでは微々たる差でしかないが、やはり1.5リットルエンジンの方がアドバンテージは勝っている。
アップダウンの激しい道路を想定したクロスカントリー路と呼ばれるテストコースでも、コルトはしっかりとした足で走り抜いた。コンパクトカーにありがちな「柔な乗り心地」は全く感じない。多少ハンドルをラフに扱っても確実に追従する。このあたり、コンパクトカーらしくない挙動を示すことには驚いた。ブレーキの効きも良い。ABSの動作速度が多少早すぎるような印象も受けたが、万人を対象とするクルマだけに早く効いて悪い、ということもない。
こうなってくると試したくなるのは「このエンジンで、コルトでどこまでスピードが出るか」ということ。クルマの進路を高速周回路へと進め、アクセルを全開にする。タコメーターの針が4000、5000と動き続け、同時にスピードメーターの針も180km/hへ難なく到達した。車内に侵入するロードノイズこそ大きめだが、無理をしているという感じも、この速度だからという恐怖感も無く、淡々と走り抜く。このあたり欧州市場での販売も意識しているからだろう。