安全装置への過信が事故を招く---青森県警が興味深いデータを公表

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青森県警は15日、増え続ける冬の交通事故を防止することを目的に昨冬の凍結路面上でのスリップ事故状況のデータを公開した。雪道の運転に慣れている人でも、ここ数年はクルマの安全装置を過信しすぎて事故に至るケースが特に目立つという。

これは青森県警管内で2001年12月15日から2002年2月28日の間に起きたスリップ事故の状況をまとめたもの。スリップ事故はこの間に744件発生しており、2000年−2001年の同期に比べ205件の減少となった。事故が集中するのは道路が凍結する早朝が多く、特に通勤時間と重なる午前7時から8時の間に全体の23%が集中する。

興味深いのは本来は雪道に強いはずの4輪駆動車(4WD車)と、ABS装着車の事故が昨年は急増したこと。全体の46%は4WD車による事故で、さらに71%ではABSが作動したと思われる形跡があったことだ。

県警では「これらのクルマが雪道に強いことは証明されているが、4WDだから大丈夫、ABSが付いているから大丈夫という過信がドライバーにみられる」と説明している。実際、事故当時の取り調べでも「4WDだから止まれると思った」や「ABSが効いたはずなのに止まらない」と供述するドライバーが後を絶たないらしい。

たしかに雪道では4WD車の方が運転がしやすいのも事実だが、それは「度を過ぎなれば」という条件がつく。ABSによるブレーキアシストも同様だ。これら装置に過信しすぎて、普段より無茶な運転をしても大丈夫と勘違いしているドライバーが多いからこそ、といえる数値ではなかろうか。

《石田真一》

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