【読者の指摘】「補助動力付き3輪スケーター」の規格と免許

自動車 社会 行政
【読者の指摘】「補助動力付き3輪スケーター」の規格と免許
【読者の指摘】「補助動力付き3輪スケーター」の規格と免許 全 1 枚 拡大写真

補助動力付きスケーター(3輪、電動モーター出力0.6kWを超える)について厳密に法規を当てはめると、軽自動車となり、運転には普通免許が必要、と報じたところ、読者よりご指摘を頂いた。

現行の法規運用範囲では、車両は軽2輪となり、運転に必要なのは普通免許である。とはいえ実情を鑑みるに、妥当と思われるのはそれぞれ「原付2種」と「自動二輪」(小型限定以上でOK)ではなかろうか、と。

補助動力付きスケーターの法的扱いは別の話題として、編集部の解釈には再考の余地があるようだ。投書をくださったKさんはメーカー関係者。ただし今回の投書は個人的な見解でありメーカーの公式見解ではないので、サイト上では匿名にし、メーカー名も伏せておく。

  ………………

原付1種の上のカテゴリーが軽自動車であるとの認識、つまり3輪の乗り物が原動機排気量50cc(内燃機関以外は出力0.6kW)を超える場合、そのカテゴリーが軽自動車になるというのは、おそらく昔のオート3輪のような乗り物をイメージされているのだと思います。

しかし3輪補助動力付きスケーターに関して言えば、車室が存在しないことから「トライク」(3輪オートバイ)に近い乗り物であると考えられます。最近トライクは、サイドカーと同等の扱いをうけることになり道路運送車両法上は2輪車として扱われています。したがって問題の車両は軽2輪であると考えることが妥当かと思われます。

次に必要免許に関しては、「3輪」である以上は普通免許なのかもしれません。トライクも道路交通法上は3輪車なので普通免許が必要になります。しかしながら補助動力付きスケーターは輪距(トレッド)が極端に短く、どちらかと言えば2輪免許が必要な乗り物というのが私の感覚です。

原動機付き自転車というカテゴリにおいても、排気量50cc/出力0.6kw以下で輪距が50cm以下のものは、3輪であっても原付1種として取り扱われます。たとえばホンダ『ジャイロ』は後輪の輪距を50cm以下に作ってあります。この解釈が、50cc/0.6kWを超える原動機を搭載する車両にそのまま適用されるとは思いませんが……。また輪距50cm以下であれば排気量/出力にかかわらず2輪と見なしていいかというと、そういう規定は明文化されていないようです。

いずれにしても、これらの領域はかなりグレーなんですね。補助動力付きスケーターを原付2種とするみなし運用に関しては、私も柔軟性のある法解釈だなと好意的にとらえてますが、はたしてそれで今後も良しとなるのかは、動向を見守っていきたいところです。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  2. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  3. 【レンジローバー ヴェラール 新型試乗】ああ、紛うことなくレンジローバーだ…島崎七生人
  4. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  5. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る