警察庁は23日、昨年1年間に悪質な交通違反で死傷事故を起こしたとして、危険運転致死・致傷罪を適用されて逮捕あるいは送検されたドライバーの数が322人に達していたことを明らかにした。一番多かったのはやはり飲酒原因で、全体の49.3%を占める。
これは昨年1年間に何らかの事故を起こし、その形態が悪質と認められて危険運転致死・致傷罪を適用された案件の数をまとめたもの。昨年は322人(件)が同罪の適用を受け、うち54件は被害者が死亡した危険運転致死罪の適用案件だった。
内訳は、飲酒運転が159件で最も高く、全体の49.3%に達している。次いで赤信号無視が121件(同37.6%)、ハンドル操作困難な速度超過28件(同8.7%)、睡眠薬や向精神薬などの薬物影響8件(同2.5%)、他車を妨害する目的での危険運転6件(同1.9%)となっている。
飲酒運転の高さが際立っていたるが、赤信号無視にカウントされたドライバーの中には、道路交通法違反(酒気帯び運転、あるいは酒酔い運転)が併用された者が含まれており、これを合わせた場合の数値は201件(同62.4%)になってしまうという。
年代別の集計では、20歳代が114人でトップを記録しているが、飲酒案件だけに限ると40歳代の45人がトップになる。中高年以上は飲酒案件による適用が多く、20歳代と30歳代では信号無視が圧倒的に多かった。
危険運転致死罪での最高懲役は、現在のところ9年が最も長い。条文に規定されている最高量刑は「15年」だが、今はここまで至るほどの悪質なケースはない。
警察庁交通指導課では「ごく普通のドライバーが安易な気持ちで違反を行い、悪質な事故を起こしてしまっている。自分だけは大丈夫という軽い気持ちの積み重ねが重大事故を手招きする要因になっていることは忘れてはならない」と警告している。
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