先代『ハリアー』では『カムリ』のプラットフォームを使用してきたが、新型ハリアーではプラットフォームを一新。「完全に見直しを図ったため、パワートレインや足回りの設計の自由度は格段に向上した」と、第一開発センターの岡根幸宏主査は語る。
「以前はいろいろな制約があって、例えば燃料タンクひとつにしても変なカタチしていて、お世辞にも見栄えがいいとは言えなかった。今度は樹脂タンクだし、床下にジャストフィットしている。そんな些細なところでも“いいね”と言えるクルマ」と自賛する。
ハリアーで採用された新プラットフォームに一番良く似ているのは、実は『クルーガーV』らしく、プラットフォームベースでの共有化率は60%近いという。先代ハリアーとクルーガーVは兄弟車のように扱われるが、岡根さんに言わせれば「3年分の進化を遂げた全くの別物」で、今回のハリアーでやろうとしたことを「クルーガーでこっそり試した」と笑う。
また、新型は先代と比べて20kg重くなったが、岡根さんは「あちこち削りました。それでも増えた20kgは残すべくして残したもの。それがどこなのかはご想像にお任せして…」と意味深な回答をする。
想像の域を出ないが、岡根さんが「クルーガーでこっそり試し、新ハリアーで残すべくして残った20kg増」というのはエンジンをマウントする部分ではないだろうか。クルーガーVはトヨタが世界で初めて市販した燃料電池車のベースモデルとなっているし、今年のデトロイトショーで公開されたハイブリッドシステム搭載モデルの『SU-HV』コンセプトは、ハリアーの北米仕様車『RX330』がベースになっている。いずれもパワートレインが内燃機関エンジンより軽いとは思えない。