【ホンダ『エレメント』発表】頭上の開放感にニーズは無かったの?

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【ホンダ『エレメント』発表】頭上の開放感にニーズは無かったの?
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『エレメント』というクルマを一言で表現するなら「開放感」になるのは間違いない。両側に大きく開くサイドドア、上下ニ分割のリアゲートなど、これまでのクルマが持っていた密室のような雰囲気は全くない。「爽やかな風が流れる場所にこのクルマを持ち込み、シートを倒しつつ読書したら気持ち良いだろうなぁ」と素直に思わせるクルマでもある。

と、ここまで開放感を演出できるのなら「ここを開くことはできなかったのか?」と思うところがひとつ。それは頭上の空間だ。サンルーフやキャンバストップなどを装備し、走行中も開放感を楽しめるようにすることはできなかったのだろうか?

「初期の段階ではそういうアイデアも確かにありました。しかし、アメリカの安全基準がそれを許しません。だから実現しませんでした」と説明するのは、本田技術研究所の杉山智之・主席研究員。開口部を大きく確保しているから強度に不安があるというのではなく、バランスを崩して横転した際に乗員が車外に投げ出される危険が高く、それゆえに見送られたという。

「サイドドアの開口部を大きく確保するため、ドアが入る側面部分を肉厚の部材で補強しています。しかし、これが意外に重くなってしまい、トップヘビーの傾向を示すようになった。このために天井面に開口部を設けるのは危険であり、安全基準のクリアも難しくなるという結論に達して止めました。エレメントは『CR-V』よりもドレットを拡大しているのですが、これも車体下部での安定を確保するためです」と杉山さんは説明を続ける。

大きく開くサンルーフは無いものの、北米仕様には荷室部分に開閉不可能の半透明ルーフを採用して外光を取り入れやすくしたモデルもある。それが日本に入ってこなかった理由は何なのか。

「現地でも注文装備ですし、全量がアメリカ生産だからオーダーからデリバリーまでかなり時間を要すことになる。今のお客さんはその期間クルマを待ってくれません。だったら最初から一定数を入れれば良いということにもなりますが、日本でサンルーフをオプション装着する人は少ない。だから今回は設定自体を見送り、単一のグレードとしています」という回答。

やはり動きを楽しむより、置いた状態を楽しむクルマらしい。

《石田真一》

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