日本損害保険協会は8日、6歳未満の子供を持つ親300人を対象に実施したチャイルドシートの利用率調査の結果を明らかにした。約90%が「チャイルドシートを持っている」と答えたが、「普段から使っている」と回答したのはそのうち約60%に留まった。同協会では「両親は徹底していても、子供の祖父や祖母が甘やかして抱っこしたがる傾向にある」と分析している。
これは日本損害保険協会が「6歳未満の子供を持つ親で、2〜3カ月に1日以上、子供を自家用車に乗せて運転する人」を対象に実施したもの。サンプル数は300で、男女比は1:1にしている。チャイルドシートを「持っている」と回答したのは89.3%で、昨年よりも17%増加した。また、38%は「複数台を所有している」と答えている。しかし普及しているのは幼児用が中心で全体の68%、乳児用や児童用では35%程度と低迷。また普及しているとは言えない状況だ。
また、チャイルドシートを保有していたとしても、これを「常時使っている」と答えるのは59.8%に留まっている。使わない理由として最も多いのは「同乗者が乗るスペース確保のために使えない(設置スペースがない)」が48%で最も多く、次いで44%だったのが「近距離だから必要としない」というものだった。同乗者が子供の祖父や祖母だった場合には「子供を抱っこするから大丈夫」と説得され、一任させてしまうケースも多いようだ。
また、興味深いのは地区別による回答の差異で、東日本では「チャイルドシートを使用しないときは同乗者が抱っこする」と回答するケースが多かったが、西日本(特に京阪神地区)では「座席に座らせておく」と回答する人が多かった。抱っこしていようが、シートに座らせていようが、衝突事故の際には子供が車外放出される危険性が高く、同協会でも「昨年よりもポイントが上昇しており、危険な兆候」と分析している。
また、現在でもチャイルドシートを有していない人についてその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「チャイルドシートを必要としてない」という回答で35%。「同乗者が面倒を見るから大丈夫」という人も31.3%いた。西日本で子供の安全を軽視することが目立つことから、同協会では「西日本での啓蒙活動を進めていく必要がある」としている。