日野自動車の蛇川忠暉社長は29日、2003年度から3カ年の新中期計画の一環として、米国市場の本格開拓に乗り出す方針を明らかにした。販売会社の合弁による強化や現地でのトラック生産を開始、02年に2000台だった販売を06年には1万台に拡大させる。
販売会社は、同社と三井物産が折半出資している米国日野を、近く増資して強化する。新たに米国でリースやトヨタディーラー、レースなどの事業を手がけているペンスキー・オートモーティブ・グループに25%の出資を仰ぐほか、副社長も受け入れる。日野の出資比率は50%を維持する。
また、年内に米国専用に開発したトラックも市場投入するとともに、04年からは現地子会社で生産も行う。このため、現在は補修部品の販売を行っている日野モータース・インターナショナル(カリフォルニア州)を近く改組し、「日野モータース・マニュファクチャリングUSA」として生産子会社とする。投資額は45億円で、04年度には150人を雇用する。蛇川社長は「2010年までには北米販売を3万台規模に増やす」との長期目標も示した。