太さ1.2cmの鉄筋には気づかない---道路管理者に賠償命令

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クルマが衝突した際に折れた車止めの鉄筋を除去しないまま放置し、これにつまづいて右ひざの骨を折る重傷を負った主婦が、道路管理者の京都市を相手に約250万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、京都地裁は29日、「道路管理を怠った責任は市にある」と認定し、慰謝料など約120万円の支払いを京都市に命じた。

訴えを起こしていたのは新潟県に住む68歳の女性。判決によると、この女性は2000年11月26日、京都市左京区にある南禅寺へ参詣するために近くの市道を歩いていたが、歩道上に突き出た長さ7cm、直径1.2cmの鉄筋(鉄棒)に気がつかず、つまずいて転倒。右ひざの骨を折る重傷を負った。

この鉄筋があった場所には歩道へのクルマの侵入を防止するコンクリート製の車止めが立てられていた。ところがこの事故が起こる1カ月ほど前に、クルマが接触して破損、コンクリート製の柱部分は完全に折れてしまった。折れたコンクリート柱は事故直後に撤去されたが、内部の鉄筋は「再び施行する際に使う」としてむき出しのまま残されていた。

女性は「太さが約1cmであるため、そこに鉄筋が露出していることを意図しないかぎり気がつかない。観光地に近いこともあり、不特定多数の人が歩く場所にもかかわらず、こうした状態のままで放置したことは道路管理者の京都市に責任がある」として、治療費や慰謝料など総額250万円の支払いを求める民事訴訟を起こしていた。

29日の判決で京都地裁の片野悟好裁判官は、「市は鉄筋が露出していることは知っていたにも関わらず、車止めをただちに補修することなく鉄筋をそのまま放置していた」と市側の責任を認め、治療費や慰謝料など120万円の部分については「整合性がある」として市への支払いを命じる判決を言い渡した。

《石田真一》

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