ホンダのモノ作り、デザインの本質とはなにか。4月17日、東京江戸川区のデザイン専門学校、TCAで、ホンダの“カリスマデザイナー”、中野正人上席研究員が特別講義を行った。中野主席研究員は、「言葉のイメージは良くないが、デザインとは“謀”(はかりごと)であり、デザイナーは“謀師”であると考える」と語る。
「デザイナーとしての訓練は“得意技を磨く”。これは自分らしさを磨くことだ。そして何でも好きになる。興味をもつ。ゲーテは、人間はひとつに執着してはいけない、頭の中は雑然とさせておけといっている。The Power of Dreams、夢の力が現実を動かす。すなおに感動し、驚き、魅力的な提案をしてほしい」
ホンダのデザイントップにいる中野主席研究員は1973年に本田技術研究所に入社。ホンダ以外のクルマも所有しており、ユーノス(マツダ)『ロードスター』に12年間も乗っているが距離は3万kmしか行っていない。新型『MINI』(ミニ)との恋は成就しなかったという。最近ニンジンジュースでのダイエットに成功したが、そのせいか顔が黄色くなった。