デトロイト周辺では、クライスラーが来年の「デトロイトオートショー」でかつての「ミニバンのクライスラー」復権をかけた新型4WDミニバンを発表する、という噂が流れている。業界筋の情報によると、このミニバンはフラット・ホールドの3列目シートを用意し、多彩なシートアレンジを可能にしている、という。
しかし噂の核心である4WDついてはクライスラーは現在のところ堅く口を閉ざしている。問題は、新型ミニバンの売り物となるはずの、床下にたたんで収納できる3列目シートのアレンジが、4WDのドライブトレインを積むことで不可能になること。
もともと4WDミニバンは作られても全体の5%程度、と言われていたが、クライスラーとしては大事な「売り」を犠牲にしても4WDを発表するかどうか、悩ましいところのようだ。
ただし、4WDバージョンが登場するとしたら、大型のスポーツワゴン、『パシフィカ』のプラットフォームが流用される可能性が高いという説もある。トヨタではレクサス『RX330』のプラットフォームを使うことにより、『シエナ』で床下収納できる3列目シートと4WDの両方を可能にしているため、クライスラーもこの方式を使うのでは、とも言われている。
ベスト・ミニバンの座をホンダ『オデッセイ』(日本名『ラグレイト』)に奪われて久しいクライスラーだけに、新型ミニバンにはかなりの力が入っているようだ。