京都「ギンギン族」が暴走……おかしいゾ

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京都府警は17日、ワイドショーで取り上げる題材を撮影することを目的に、改造車を所有する男らに依頼し、実際に京都市内で信号無視などの交通違反を含む暴走行為を行わせていたとして、46歳のフリーレポーターなど3人を道路交通法違反(暴走行為幇助)容疑で書類送検したことを明らかにした。

京都府警・交通指導課の調べによると、この問題が発覚したのは昨年11月4日にテレビ朝日系で放映されたワイドショー『スーパーモーニング』の番組中、「古都騒然! 京都を騒がすギンギン族の実態」と称するコーナーを扱ったこと。

京都市内の中心部に集まる改造車集団(「ギンギン族」と呼ばれている)が狭い道路を占拠するような形で路上駐車を行ない、大音量で音楽を流すだけではなく、京都市内で信号無視などの交通違反行為を含む暴走を行うという内容。現地で暴走する様子を追跡したレポーターの男性が「京都のような古都でこのような暴挙が許されるのでしょうか」などとナレーションを入れていた。

しかし、たまたまこの番組を見ていた京都府警の警察官が「ギンギン族の連中は1カ所に留まり、自慢の改造車から大音量で音楽を流す行為で自己顕示欲を満たす集団。暴走を行うとは聞いたことも見たこともない」と疑問に感じ、録画したビデオを交通課員に渡し、クルマから人物の特定を行うように依頼した。

府警の交通指導課ではテレビに使われていた映像から、ギンギン族の中心的人物とされる21歳の男が違反を行っていた可能性が高いと判断。付近で聞き込みを行ったところ、コーナーの収録は昨年10月11日深夜から12日未明に掛けて行われていたことも判明した。同日、この男が京都市内で信号無視をしていたこともわかり、今年2月に道交法違反(信号無視)容疑で逮捕。放映されたワイドショー番組の収録に加担していたかについても追及した。

その結果、10月11日の深夜、ギンギン族のクルマが集結していた京都市中京区河原町付近にコーナーを担当するレポーターやスタッフが現れ、音楽を流しているシーンの撮影を行ったという。

そのうちに「このクルマで市内を走ってくれないか。多少の違反行為があってもいいから」などと依頼。仲間の所有する数台のクルマを合わせて京都市内を20分間に渡って走った。その際、携帯電話で指示されるまま信号無視や箱乗りなどを行ったという。

男はスタッフに対して「普段はこういうことをしない」と言ったが、スタッフの1人は「警察はどうせ来ないし、大丈夫だ」などと語り、「あくまでも1シーンだから」などと強調していたという。

警察ではレポーターやスタッフの言動から「暴走を幇助する意図があった」と判断。レポーターから事情聴取を行った。この際、レポーターの男は「代表を名乗る男からコメントを取ったが、ギンギン族の集団にこちらから何かを依頼したということはない」と容疑を否定している。しかし、警察は道交法違反(暴走行為幇助)容疑で17日までにレポーターを書類送検している。

《石田真一》

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