新型『アクトロス』に搭載されるエンジンは2種類ある。16リットルV8ターボエンジンの「OM502LA」と、12リットルV6ターボエンジンの「OM501LA」だ。
両エンジンとも先代アクトロスからのキャリーオーバーとなるが、欧州の排ガス規制値である「Euro3」(ユーロ3)は難なくクリア。13モード計測による東京都条例の第一次、第二次規制値のいずれをも下回るクリーンなエンジンで、後付けDPFを設置する必要もない。
ダイムラークライスラー日本の岡崎知久・商用車営業部次長は「先代からのキャリーオーバーだが、日本市場に合わせたチューンをしてあり、欧州仕様をそのまま持ってきたわけではない」と説明する。
日本の排ガス規制の中心はNox(窒素酸化物)排出量の削減にあるが、欧州ではPM(粒子状物質)が規制対象となる。また、欧州で使用される軽油は低硫タイプであり、硫黄分が多い日本の軽油でNOx排出量を削減するためには調整が必要となる。この調整は先代アクトロスですでに終了しており、今回はエンジンをキャリーオーバーさせることで環境対策での信頼度をさらに高めている。
また、テリジェントオーテマティックは変速ロジックを見直し、コンピューターが16速ギアの中から適切なギアとエンジン回転数を決定する。このプロセスも従来より細分化されており、それによるエネルギーロスを可能な限り低く抑えることで、排出ガスの削減にもつなげている。
ユーロ3、東京都条例規制値はクリアしているが、大型車に課せられる新短期規制のクリアは出来ておらず、「これについては今後投入するモデルで対処していく」と岡崎次長は語っている。