泥酔男が暴走---花火大会パニック

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20日夜、神奈川県横浜市中区で花火大会から帰る客で混雑する道路から強引に発進しようとしたクルマが歩行者数人に次々と接触する事故が起きた。さらにこれを制止しようとした警察官1人も30m引きずられて軽傷を負っている。

クルマは警官を振り落とした直後もさらに暴走を続け、進路を塞ぐ形で停止していたバスの側面に衝突し、ようやく止まった。警察では運転していた49歳の男を公務執行妨害の現行犯で逮捕し、21日朝からは道路交通法違反や業務上過失傷害容疑などでの取り調べも行っている。

神奈川県警・横浜水上署、同・第一機動隊の調べによると、事件が起きたのは20日の午後8時50分ごろだという。直前に終わった横浜港・国際花火大会から最寄り駅に向かう人々で混雑する横浜市中区山下町付近の市道に路上駐車していたクルマに乗り込み、発進しようとしていた男と、それを止めようとする多数の歩行者との間でトラブルが発生した。

男は乗り込んだクルマを強引に発進させようとクラクションを鳴らし、歩行者には道を空けるように怒鳴り散らしていたが、「自分勝手なことをするんじゃない、危ないだろ」と怒鳴りつけた歩行者と激しい口論になった。

男はアクセルを踏み込むような素振りを見せたため、高まるエンジン音に危険を感じて逃げようとする別の歩行者の間で一時パニック状態になるなどしたが、異変に気づいた第一機動隊所属の隊員が駆け寄り、男に職務質問を行おうとした。

しかし、男は隊員の姿を確認した瞬間に急発進。隊員は窓枠にしがみついた状態で約30m引きずられたが、男のクルマはこの間に逃げ惑う歩行者少なくとも6人に接触。他の15人あまりが逃げようとした際に路上に転倒するなどして軽傷を負った。

隊員は身の危険を感じて窓枠から手を離し、路上に投げ出される形となったが、それでもクルマは暴走を止めず、そのままさらに通りを走り抜け、突き当たりの道路で信号待ちのために止まっていた路線バスの側面に衝突、ようやく停止している。

男は後を追いかけてきた隊員らに公務執行妨害の現行犯で逮捕された。一連の事故で警察が把握している負傷者は全治10日までが3人、同3日が5人程度だという。バスの乗客25人からは負傷者が出ていない。

クルマを運転していたのは49歳の男で、当時は真っ直ぐ歩けないほどの泥酔状態だった。翌21日には「自分がなぜ逮捕されていたのかわからない」といった供述も繰り返しているという。警察ではあまりに悪質として、今後は道交法違反や業務上過失傷害の疑いでも男を厳しく取り調べていく方針だ。

《石田真一》

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