貸切バスの運転手の勤務実態---運輸局が監査へ

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国土交通省・北海道運輸局は23日、夜食の買い出しに行くためにバスを持ち出し、酒気帯び運転の末に道路から転落する事故の発生を受け、道内の貸切バス事業者に対して緊急の重点監査を行う方針を明らかにした。今月下旬から開始し、9月上旬までに道内207社の調査を終えるとしている。

今回の監査実施は今月7日、北海道札幌市内で発生した転落事故の発生を起因としている。同日未明、宿泊先のホテルで酒盛りをしていた貸切事業者に勤務するバス運転手が「コンビニエンスストアに夜食を買いに行こう」と思いつき、23歳の女性添乗員を同乗させた上で車両を持ち出した。

しかし、この運転手は酒に酔った状態だったために運転を誤り、カーブ曲がり損ねて路外に逸脱。そのまま斜面を10m滑り落ちるという事故を起こした。運転手と添乗員にケガは無かったが、バスは車体を大破させている。

北海道運輸局では今回の事故が勤務時間終了後に発生していることを重視。貸切バス事業者に対して、営業所から離れた場所で宿泊を含む勤務を行った際の点呼方法や、運転手の睡眠不足および酒気帯び状態の確認体制。さらには運転手の飲酒防止指導の実態、車両管理の体制などを調べる必要が生じていると判断。緊急の監査を行うことを決めた。

運輸局では「宿泊を伴う勤務の場合、営業所に電話を掛けて点呼を行っている会社もあるが、大半の会社は運転手への点呼を行わず、そのまま乗務を続けさせているのではないか」と推測しており、今回の監査では杜撰な管理状況の実態が明らかになる可能性も高い。

《石田真一》

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