運転手は容疑者の説得に努めた---長野バスジャック事件

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28日午後、長野県坂城町を走行中の路線高速バスが21歳の男にバスジャックされるという事件が起きたが、逮捕された21歳の男がバス車内で取った行動の一部が明らかになった。乗客が警察の取り調べに応じた際に供述したもので、男はバスが新宿を出発した時点から車内を徘徊するなど不審な行動を繰り返していたという。

これはバスジャックされたバスの乗客が解放後、長野県警・長野南署の取り調べに応じ、供述したもの。それによるとバスジャック事件の容疑者は新宿駅を出発した直後から、車内を徘徊するなどの行為を繰り返した。バスの後部にはトイレがあるが、そこに向かうわけでもなく、ひたすらウロウロと歩き続けたという。

また、運転手に包丁を突きつけた後には「警察を呼べ」、「パトカーをたくさん集めろ」などと話し続けていたが、興奮する様子はなく、むしろ犯行後の方が冷静な様子だったらしい。

運転手は「人間関係に疲れた、人生が面白くない」、「会社を突然解雇された。長野で死にたい」と話し続ける容疑者に対して、「お前は若いんだからまだまだやれることはいっぱいある」、「誰にもケガさせていないから大丈夫だよ」と説得を続けた。会社と連絡が取れており、事件発生がすでに知らされていたため、バスジャックなどの非常事態発生時に使う外部への通報装置も使用せず、パーキングエリアまでの間は説得に努めたとしている。

警察では「運転手が冷静に説得を続けたことで乗客の解放が容易になった。また、刃物の確保にも成功している」と絶賛している。なお、このバス会社では2000年に起きた西鉄バスジャック事件以後、バスジャックを想定した訓練を継続して続けており、今回の対処にもその経験が役立っていたとみられる。

《石田真一》

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