自動車を監視するICチップ

自動車 テクノロジー ITS

イギリス人作家ジョージ・オーウェルが、小説『1984』で、監視社会の到来を予測したのは1948年のこと。ところが、そのオーウェルの予測を超えた自動車の監視システムが、イギリス政府によって提案される見通しであることが、24日づけの英『サンデー・タイムズ』紙の報道でわかった。

同紙によると、イギリスの交通省と警察などが共同で提案する新システムは、すべての自動車に、運転者のデータやクルマのナンバーなどを記録したICチップを搭載し、道路脇のセンサーで監視するというもので、2007年からの実施を予定している。

ICチップに記載されるデータは、クルマのナンバー、メーカーや、車の所有者の名義、車検実施時期、税金の支払いや保険の料金支払いに関するデータなど。道路脇に設置するセンサーで監視し、スピード違反などの違法行為を行えば、後日、違反の通知が郵送されるという仕組み。税金や保険料の未払い、車検切れのクルマもすぐにチェックできる。また、クルマが盗まれても、その車が現在どこを走っているか瞬時に追跡できるので、テロ対策にも役に立つという。

同システムは、個人の行動を監視することになるため、人権侵害との批判もあるのも事実で、2007年から実施できるかは不明。ただ、かつて市街地や商業地に監視カメラが設置された際にも、同様の議論はあったものの、犯罪の抑制や事件の解決に役立ったために、結局は容認されていった経緯もある。人権への配慮と安全との間のバランスをいかにとるかが課題となるだろう。

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