ゼンリン、地図データ無断流用問題でインクリメントPを提訴

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パイオニア系列の地図製作会社であるインクリメントPがゼンリンの発行する住宅地図帳のデータを無断で使用し、自社製の地図を制作する際に使用していたという問題で、ゼンリンは24日、現在もカーナビ用やパソコン用として市販されている電子地図データの廃棄や、無断複製によって生じた損害=総額12億6000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

ゼンリンによると、同社の制作担当者がタイピングミスによって生じさせた「事実と異なる建物名称」が、インクリメントPが制作した地図上にあることを発見したことがデータ無断流用の可能性を疑わせる発端になったとしている。

その後の調べでこうしたミスが複数の場所で生じているということを確認したため、岩手県盛岡市にあるインクリメントP・東北開発センターでの証拠保全検証を今年6月に実施。

その際、同センター内からコピーされた住宅地図を大量に発見するとともに、ゼンリンの制作したバソコン用の地図ソフトがファイルサーバー内に置かれ、100台を超えるクライアントPCから引き出せる状態だったことも把握した。

ゼンリンでは同社の著作権が侵害され、インクリメントP側が無断でデータを流用していたことは間違いないとして今回の提訴に踏み切った。

インクリメントP側に対しては無断流用でゼンリン側が被った金銭被害(約12億6000万円)を賠償するとともに、ゼンリンのデータを流用して制作したと推測されるカーナビ用、パソコン用の電子地図データの廃棄。今後の無断複製差し止めの三点を求めている。

ゼンリンは今回の提訴に対しては「インクリメントPの行為は明らかな著作権の侵害であり、弊社の営業活動を妨害する不当行為に当たる」と主張している。

《石田真一》

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