福岡県警は2日、1日夕方から深夜までに福岡市内の各所で連続12件発生したひったくり事件について、少なくとも2グループが関与していた可能性が高いことを明らかにした。
犯行には原付バイクを使用しているが、2人乗りによるものが7件、単独犯によるものが5件起きている。福岡市内では以前にも暴走族グループ内で「どちらが多く稼ぐか」というひったくり競争が行われていたこともあり、警察では今回の犯行にも暴走族グループが関与しているのではないかとみて調べを進めていく方針だ。
福岡県警・南署などの調べによると、最初の事件が起きたのは1日の午後6時40分ごろだという。福岡市南区大楠付近の市道を自転車に乗って帰宅途中だった30歳女性が、後方から接近してきた原付バイクの男2人組に現金1万5000円入りのバッグを奪われた。
さらに15分後、約300m離れた場所で2人乗りの原付バイクによる同様のひったくり事件が発生、その5分後には3件目の事件が起きた。
午後8時になると福岡市中央区内で別の容疑者によるものと見られるひったくり事件が連続3件発生した。こちらは単独犯によるものだが、原付バイクに乗って犯行に及ぶという手口は全く一緒だった。
だが、事件はこれだけに留まらず、2日午前0時までに福岡市南区、早良区、中央区、城南区、博多区で合計12件のひったくり事件が発生した。内訳は2人組によるものが7件、単独によるものが5件で、それぞれの容疑者の特徴はほぼ一致していた。
このことから警察では2グループがほぼ同時間帯に連続犯行に着手したと判断。昨年にも暴走族メンバー同士がひったくり競争を繰り広げた容疑で逮捕されていることから、今回も同様のケースではないかとみている。