現場の独断で、交通標識の内容を変えました

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新潟県警は9日、1999年当時に柏崎署・交通課の管理係長職にあった警部補が、新潟県公安委員会の承認を得ないまま、勝手に道路標識を付け替えるという不祥事が発生していたことを明らかにした。付け替えられた表示内容での交通違反摘発も13件確認されており、警察では摘発した人の違反記録を抹消し、反則金も同日までに返還している。

新潟県警・監察官室などの調べによると、勝手に付け替えられていたのは柏崎署管内、柏崎市安田付近にあるJR信越本線・三ツ谷踏切手前の交通標識。

この踏切は「二輪と小型特殊を除く自動車通行止め」の規制が県公安委員会によって定められていたが、近隣の住民が1999年、柏崎署・交通課で管理係長職にあった警部補に対して「農作業用の軽トラックが通れるようにしてほしい」と陳情した。

本来であれば警察署から警察本部へ、警察本部から公安委員会へ…というルートで要望が送られ、変更の是非が検討されることになるが、この警部補は陳情を応諾し、公安委員会はおろか上司にも無断で標識の付け替えを実施していた。

付け替え後は「二輪と農耕関係車両を除く自動車通行止め」となったが、実際には農耕関係車両以外のクルマも通行していた。

この踏切では今年6月から7月までの間に行われた交通取締りで、農耕関係とは認められないクルマで通行しようとした13人が道路交通法違反(通行禁止違反)で検挙され、それぞれ7000円の反則金を納付するように求めていた。ところが取締りを担当した警察官が調べたところ、県公安委員会が定めた規制内容と異なっていることが発覚。

実際には自動車での通行自体が違反となるものの、付け替えられた標識には効力が発生しないことから違反は抹消されることとなり、これまでに納付された反則金もすべて返還された。

監察官室の調べに対し、元管理係長は「自分では報告したつもりだった」と供述し、独断で行ったことではないと強調しているという。だが、警察では何らかの処分を実施する方向で検討を進めているという。

《石田真一》

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