過去最長の使用停止期間---JRバス飲酒運転

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国土交通省・関東運輸局は14日、今年8月に東名高速で飲酒運転を起因とする接触事故を起こし、宇都宮支店に勤務する32歳の運転手が逮捕されたジェイアールバス関東に対し、東京支店の車両8台を35日間、宇都宮支店の車両2台を27日間の運行停止とする行政処分を言い渡した。延べ日数でみると334日となり、これまで最も厳しいとされてきた名古屋鉄道バスに対する240日間を超えるものとなった。

今回の処分については、飲酒運転を行った運転手が所属し、一連の勤務スケジュールに入る際の点呼を行った宇都宮支店の責任と、実際に飲酒運転を行うことになった東京支店の責任を分割して考えることになった。

これまでの警察の捜査で、宇都宮支店の補助運行管理者は問題の運転手が点呼の際に目を合わせようとしなかったことから「二日酔い、もしくは軽い酒気帯び状態であるかもしれない」という疑問を持ちながらも、別の運転手に交代させる手間を嫌い、黙認してそのまま乗務させたことがわかっている。

また、東京支店では点呼時のアルコール検知が形骸化されているばかりか、本来は酒類の持ち込みが禁止されている宿泊施設での飲酒が行われていたことが発覚した。問題の運転手は宿舎で大量のアルコールを飲み、さらにはミネラルウォーターのペットボトルに焼酎を移し替えた上で車内に持ち込み、乗務中の飲酒を続けていたとみられている。

このことから宇都宮支店に対しては「点呼の段階で酒気帯びを見逃した可能性がある」として、宇都宮〜東京(新宿)間に運行されている車両2台について27日間の運行停止を。東京支店に対しては飲酒運転起因の事故を起こした東京〜大阪間の「東海道昼特急」に運用されている車両8台すべてについて35日間の使用停止を命じた。

処分期間中の運行についてジェイアールバス関東では、宇都宮〜東京線については予備車両使うなどして対処し、自社便の運行が不可能になる東京〜大阪線については、西日本ジェイアールバスに運行を依頼し、乗客の利用に支障が出ないようするとしている。

今回の処分に対し、同社の東海林保社長は「処分を重く受けとめている。二度と起こらないように全力をあげて取り組む」とコメントした。

《石田真一》

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