【神尾寿のアンプラグドWeek】これがG-BOOK本命か、『1x EV-DO』いよいよ

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最近やたらと元気がいいKDDIが、画期的な新サービスを発表した。同社の第3世代携帯電話(3G)サービス第2弾になる「CDMA 1x WIN」である。

CDMA 1x WINは米国クアルコム社の最新3G技術「1x EV-DO」を採用。最大2.4Mbps(実効500〜600Kbps)の高速通信が可能になり、NTTドコモやJ-フォンが採用する3G規格「W-CDMA」の通信スピード384Kbpsを追い抜いた。

さらに1x EV-DOは基地局と電波の利用効率が向上した結果、さらなるパケット料金の値下げが可能になり、ついに月額4200円のオプション料金でその後のパケット料金が一切かからない定額プラン「EZフラット」が導入された(携帯電話基本料、通話料は別途かかる)。
 
しかし、EZフラットの定額制が適用されるのは、携帯電話からのデータ通信に限られている。携帯電話からコンテンツやメールを使う分には定額料金以上のお金は一切かからないが、パソコンからのインターネット接続では定額適用されないのだ。その一方で、携帯電話からのアクセスならば、公式コンテンツだけでなく、インターネット上の一般サイト(通称、勝手サイト)へのパケット料金も定額適用される。

「携帯電話からのコンテンツアクセスで、毎月4000円以上のパケット料金を支払っているユーザーは1000万人以上いる。彼らが安心して使える定額制を導入する事で、リッチコンテンツをはじめコンテンツ分野はさらに発展すると考えました」(小野寺 正・KDDI代表取締役社長)

EZフラット投入にあわせて、コンテンツのリッチ化も図られる。その目玉は「EZチャンネル」という動画配信サービスで、5分〜10分程度のオリジナル動画番組を携帯電話にプッシュ配信して、いつでも映像コンテンツが楽しめる。さらに大成功をおさめたMP3による音楽配信サービス「着うた」も、現状の最大30秒から1曲まるまるのフルサイズ化を考えているという。

しかし、筆者が最も注目しているのは、CDMA 1x WINが携帯電話以外の通信を定額適用外にする事で、これまで無理だと言われてきた定額制が実現できた事だ。

携帯電話の設備では1つの基地局からでる電波を多くのユーザーで共有しており、この部分の帯域(データ伝送をするための領域)はADSL/FTTHと比べてスズメの涙ほどしかない。最近インターネットで流行しているWinnyやWin-MXなどのP2Pファイル交換ソフトや、巨大な動画ファイルのダウンロードなどを行ったら、それがたとえ数人の規模でも局所的なネットワーク障害の危険がある。

パソコンのように自由な使い方ができる通信機器は、通信量の予測と制御が困難であり、固定網よりも脆弱な携帯電話ネットワークで定額制を提供するのは無理なのだ。そこでauは、通信量のコントロールがしやすい携帯電話だけを選んで定額プランを実現したのだ。

NTTドコモも来年度には、CDMA 1x WINの1xEV-DOに対抗する新3G技術「HSDPA」を投入。おそらくauに追随して、携帯電話以外の通信を適用外とする事で定額制を実現するだろう。

当面、パソコンが定額制の適用外になるのはしかたない。しかし、クルマやデジタル家電の通信は携帯電話と同じくコントロール可能なはずだ。これらも定額の適用内になる事を、各キャリアに強く望みたい。

《神尾寿》

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