今回の『AirNavi』の更新では“バージョンアップ”ではなく、“ステージアップ”という聞き慣れない言葉が用いられている。「通常のバージョンアップとは違う」というような意思がひしひしと伝わってくる気もするが、実際には何が違うのだろうか。
AirNaviの開発を担当するパイオニア・モーバイルエンタテインメントカンパニーの内山和之さんは「私たちがレギュラー更新と読んでいる地図更新では主にランドマーク表記や道路形状の修正を行います。しかし、今回のメジャー更新では道路データそのものに手を入れたり、サーバー側の検索用演算システムを大きく変えています」と説明する。
「また、それとともに文字の入力方法や渋滞情報の自動取得を可能にするなど、カーナビ本体の機能も大幅に向上させています。サーバーを利用したカーナビだからこそできる次のステージへの進化。これがバージョンアップでなく、ステージアップという言葉を使った大きな理由です」と続ける。
AirNaviでは新設された道路の形状はレギュラー更新時に反映されるが、破線で示される新設道路は経路誘導に反映させることはできなかった。その道路を使うということが経路誘導の演算プログラムに含まれていないからだ。
メジャー更新ではこうした新設道路を経路誘導時にルートとして使えるよう、プログラムを大きく変更する。そしてその作業が終わると同時に、これまで破線で表記されていた道路が通常のラインで示されることとなる。
通常のカーナビでは本体に経路誘導ルートを決定する演算機能を有しており、地図データの更新は行えても、演算面はハードに委ねられているため大きく変えることはできない。
これに対し、AirNaviはサーバー側で演算を行うシステムになっているため、地図更新とともにサーバー側の演算システムを一新すれば機能を大きく変えることができる。今回はこうした「一新」を実施したというわけだ。
だからこその「ステージアップ」。そしてそれは満を持して行ったというだけあり、AirNaviの機能を大きく進化させている。