排出ガス規制逃れの拠点---兵庫県警が全国初の捜索

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兵庫県警は20日、大阪や兵庫で実施されたディーゼル車の排出ガス規制から逃れることを目的として、規制対象外の地域に架空の営業所を設置し、そこを拠点にしているように見せかけていた運送会社5社について、電磁的公正証書原本不実記録・同供用、道路運送車両法違反(虚偽変更・移転登録申請)の各容疑で本店や支店の捜索を行った。

兵庫県警・交通捜査課の調べによると、今回捜索を受けたのは京阪神地区で行われているディーゼル車排出ガス規制(改正自動車窒素酸化物・粒子状物質法)対象エリア内の神戸市や明石市、姫路市などに本社や拠点を持つ運送会社5社。

この5社はディーゼル車の排出ガス規制によって保有するトラックが使えなくなることを危惧し、規制対象外となるエリア内の民家を借り上げ、ここに架空の営業所を設置。同法の適用を受けるトラックの拠点を移したように見せかけた疑いが持たれている。

改正自動車窒素酸化物・粒子状物質法にの基準に適合しないトラックは規制エリア内での登録が出来ず、既存車(すでに登録されているトラック)も一定の猶予期間が過ぎてしまうと車検に通らなくなる。ところが規制対象エリア外に拠点を移せばこうした制約から逃れた状態で使い続けることができる。

警察では「対象エリア外に移転したように見せかけ、規制から逃れる業者がいるらしい」との情報を得て、内偵捜査を行った。

規制逃れの疑惑が持たれた会社のうち、5社についてはトラックの保管も出来ない通常の民家などを支店として設定していたことが確認された。また、この拠点には人の出入りも無く、トラックが立ち寄ることも無かったため、規制逃れのための拠点移動と最終的に判断されたようだ。

兵庫県警によると、ディーゼル車の排出ガス規制から逃れることを目的としたことで同容疑の適用を受け、捜索を受けるのはこれが全国で初めてのケースとなる。

《石田真一》

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