「飲酒じゃない、脇見が原因だ」と主張する被告に実刑

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今年9月、酒に酔った状態でクルマを運転し、カーステレオの操作に気を取られて68歳の女性をはねて死亡させたまま逃走し、業務上過失致死と道路交通法違反(酒気帯び運転など)の罪に問われた36歳の男に対する判決公判が8日、秋田地裁で行われた。裁判所はこの男に対して懲役3年の実刑判決を命じている。

問題の事故は今年9月28日に発生している。同日の午後6時ごろ、秋田市上北手猿田寺村付近の県道で自転車に乗った68歳の女性が背後から来たクルマにひき逃げされるという事故が起きた。クルマはそのまま現場から逃走。女性は病院に搬送されたが、脳挫傷などが原因でまもなく死亡した。

この直後の午後6時10分ごろ、ひき逃げ事故の現場から約2km離れた場所で、軽トラックが路外に逸脱するという単独事故が起きた。

このクルマを運転していた36歳の男は駆けつけた警察官に対して「ボーッとしていたら運転操作を誤ってしまった」と供述したが、クルマのフロントガラスが過度に割れていることなどを不審に思い、追及したところ、死亡ひき逃げ事件への関与が明らかになったため、業務上過失致死と道交法反容疑で逮捕した。

男の呼気からは0.67ミリグラムという高濃度のアルコールを検出したが、男はあくまでも「カーステレオの操作に気を取られた。人に当たったという記憶は無い」と繰り返し、飲酒運転が事故の原因ではないと強調していた。

8日に行われた判決公判で、秋田地裁の田村眞裁判官は「被害者には何の落ち度も無く、事故は被告の飲酒運転を原因とするもの」と結論付けた。さらには「事故から4時間経過した段階で行われた呼気検査でも、被告からは高濃度のアルコールを検知しており、事故当時は泥酔状態だったとも推測できる」と指摘。

被害者の家族から厳罰を求める声が高いことも考慮し、懲役3年の実刑判決を命じている。

《石田真一》

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