高知県警は5日、昨年12月31日から今年1月1日に掛けて集中的に行った暴走族一斉取り締まりの摘発状況を明らかにした。道路交通法違反で68人を検挙したが、悪質な暴走行為が少なかったことから逮捕者は1人に留まっている。
県警ではいわゆる初日の出暴走対策として、一昨年末から昨年元日に掛けて550人の警察官を動員。約25カ所に検問所を設けた。だが、予想を超える形で関西方面からの暴走族が大挙して訪れ、その数は200台を超えた。
これが「検問1カ所あたりの配置人数を最小に抑え、検問箇所を増やす」とした作戦を直撃。結果として裏目に出て、数カ所で暴走族の検問突破を許すという事態になった。検挙数も約40件に留まり、公務執行妨害などで逮捕されたのは7人となった。
このため県警ではこれを教訓として今回は検問を11カ所に減らし、前回と同じ550人体制ながら1カ所あたりの配置人数を増やした。また、高速道路、特に本四連絡橋を通じて関西方面からの流入を防ぐため、警察庁を通して兵庫、徳島の両県警に暴走族の流入阻止を依頼した。
今回はこうした事前の活動が効果を発揮。関西方面からの流入を減らしたために大規模な暴走は確認されず、小規模集団による散発的な暴走に留まった。検問所での摘発も整備不良が中心で、二輪車7台と四輪車1台を押収した。検挙件数は68件で、このうちバイクを無免許運転していた1人を逮捕している。
県警では「前回は県内の暴走族に主眼を置いていたが、今回は県外から暴走族が訪れることを前提に計画を進めた。結果的にそれが効果を発揮したということだろう。ギャラリーについては県の暴走族根絶条例で取り締まり対象となっており、それが周知されてきているため、徐々に少なくなっている」とまとめている。