警視庁は22日、東京都大田区内で20日未明に発生した放置車両と電車の衝突事故について、この事故の発生する1時間30分前に職務質問を振り切って逃走した車両が、電車と衝突した車両と酷似していることを明らかにした。
現時点では「列車との衝突を狙って故意に車両を線路上に放置した」という見方が強いが、二つの事件に絡む車両が同一だった場合には「逃走車両の証拠隠滅を狙った」という可能性が浮上するという。
警視庁・捜査1課、同・池上署の調べによると、不審車両が池上署員によって目撃されたのは20日の午前3時40分ごろだという。大田区千鳥町2丁目付近の路上で、エンジンを掛けたクルマの横に立っている不審な外国人風の2人組をパトロール中の警察官が発見した。
この警官が職務質問しようと2人に近づいたところ、このうちの1人が警官に向かっていきなり殴りかかってきた。警官はこの男を公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕したが、もう1人の男はクルマに乗り込んで、そのまま現場から逃走した。
後の調べでこのときのクルマと、電車と衝突事故を起こしたクルマが大きさや車体色が酷似していることがわかった。
また、衝突現場近くの線路沿い住む人は午前4時ごろに、砂利を踏むような連続した音を聞いていること。男が逃走した場所は衝突事故が起きた現場にも近いことなどから、警察では二つの事件に関連性がある可能性も高いとみて、引き続き捜査を進めている。