母親とケンカしてバスジャック 懲役5年求刑

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昨年7月、長野県坂城町の上信越自動車道下り線を走行していた路線高速バスの運転手を刃物で脅し、バスジャックしたとして人質強要処罰法違反などの罪に問われた22歳の男に対する論告求刑公判が27日、長野地裁で行われた。検察側は裁判所に対し、懲役5年の実刑判決を求めている。

起訴状などによると、この事件は昨年の7月28日に発生している。同日の午後6時40分ごろ、新宿からJR長野駅前を目指して走っていた川中島バスの路線高速バスが、終点まであと40分あまりに迫った長野県坂城町内の上信越道を走行中、刃物を持った乗客の男に乗っ取られた。

男は運転手に刃物を突きつけて近くのパーキングエリア(PA)に入るように要求。さらには「警察を呼べ」、「パトカーをたくさん集めろ」という要求を行うなど、通常のバスジャック犯とは異なる印象も見せた。男はPAで乗客全員を解放。運転手のみを人質に取って車内で1時間ほど立てこもったが、最終的には運転手も解放。直後に警察官が突入し、逮捕されている。

男はこれまでの公判で「当日の朝に母親と口論し、自暴自棄になってやった。警察の突入直後に自殺するつもりだった」と、事件の動機を陳述。検察が提示した「被告は事件を起こして世間の注目を自分に集めることが目的だった」という動機についても全面的に認めている。

27日に行われた論告求刑公判で検察側は「自暴自棄になって引き起こした犯罪としては極めて悪質。計画的かつ短絡的な犯行」と指摘。また、「一時的とはいえ拘束された被害者も多数おり、バスジッャクという模倣性の高い犯罪が社会に与えた影響も大きい」、「矯正施設に入れないと再犯を行う可能性が高い」として、裁判所に対して懲役5年の実刑判決を求めた。

これに対して弁護側は「被告は精神的に未熟」などと主張、情状酌量を求めた。そして被告自身は「バスの乗客に迷惑をかけたことを謝り、罪を償いたい」と最後に延べている。

判決公判は来月18日に行われる予定だ。

《石田真一》

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