“一粒で二度おいしい”保険金詐欺事件

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三重県警は28日、高級輸入車が盗まれたという事故と、軽自動車が高級輸入車に当て逃げされたという事故をでっち上げ、保険金約450万円を騙し取ったとして28歳と31歳の男ら4人を詐欺容疑で逮捕した。

「盗まれた」と称したクルマを、当て逃げ事件を偽装する際に使うなど、巧妙に仕組まれていたという。

三重県警・交通指導課、同・上野署の調べによると、今回逮捕されたのは別の詐欺容疑で公判中の28歳の男を筆頭とする詐欺グループ。直接の逮捕容疑となった事件は昨年2月に発生している。

2003年2月18日の夜、31歳の男が「自分の所有する高級輸入車が盗まれた」と称して大阪府警に盗難届を提出した。実際にこのクルマは盗まれておらず、詐欺事件の共犯者が運転して三重県名張市内まで運んだ。

そして名張市内で駐車していた軽自動車へ故意に追突させ、そのまま現場からは走り去り、市内の別の場所に放置した。放置する際には車内に消火器を噴霧。事件に関わって証拠隠滅されたクルマを装った。

そうした作業が行われている最中に、別のグループが「自分の軽自動車が当て逃げされた。ぶつかってきた高級輸入車はそのまま逃げた」と110番通報を行い、ひき逃げ(当て逃げ)事件の被害者を装った。

翌日の19日早朝、名張市内の住宅地で車内に消火器が撒かれた高級輸入車が住民によって発見され、警察に通報。駆けつけた警察官は事故の痕跡を確認し、さらには前日に大阪市内で盗まれたクルマであることも確認。

所有者の男性には「見つかったが、ほぼ全損状態だ」と報告。男性はこれをそのまま保険会社に通報した。

結果、男性には車両保険金250万円が、当て逃げ被害に遭ったとされた2人は200万円の慰謝料と治療費が支払われることになった。もちろん、全員が共犯であったこともあり、騙し取った金はそれぞれに分配されたものとみられている。

事件は別の詐欺事件で逮捕された主犯格の供述によって発覚。当初は出来すぎた事件だけに捜査員も半信半疑だったようだが、実際に起きていたことが確認されたため、改めて捜査を開始。関わった4人を逮捕したという。

《石田真一》

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