幹線道に競走馬が出現---馬券がお守りになる?

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3日午前、神奈川県川崎市内の国道1号線で、61歳の男性が運転するタクシーが、現場近くにある川崎競馬組合の練習場から逃げてきた競走馬と接触する事故が起きた。幸いにも男性にケガはなく、逃げていた競走馬もおよそ15分後に確保されている。

神奈川県警・幸署の調べによると、事故が起きたのは3日の午前8時ごろ。これに先立つ午前7時30分ごろ、川崎市幸区小向付近にある川崎競馬組合の練習場でゲート入り訓練を受けていた競走馬「エンドル」号が、76歳の男性厩務員が持っていた手綱を振り切って場外に逃げ出した。

厩務員が馬の後を追跡したが、興奮している馬はそのまま全力で疾走。公道上に逃げ出してしまった。競馬場関係者は警察に「競走馬が道路に逃げ出した」と通報するとともに、付近の捜索を行った。

それから約30分後の午前8時ごろ、川崎市幸区東古市場付近の国道1号線を走っていたタクシーが、道路を横断するように走ってきた馬を発見。慌ててブレーキを掛けた。しかし、馬はタクシーの前部に右前足を接触させた。

馬はクルマとぶつかったことに驚いたのか、さらに逃走。そのまま近くの住宅地に逃げ込んだ。

馬はさらに逃げ続け、午前8時15分には事故現場から3kmほど離れたJR川崎駅付近の商店街まで到達した。

馬が歩いていることで商店街は一時騒然となったが、43歳の男性が近所の主婦から受け取ったニンジンを目の前でちらつかせながら馬を誘導。近くのビル駐車場まで連れ込み、内部に入ったところでビルの管理人がシャッターを閉鎖し、馬を内部に閉じ込めた。

幸いにも事故によるケガ人はなく、馬の負傷も軽かったという。

エンドル号は3歳の牝馬で、血統的には名馬「シンボリルドルフ」号の孫に当たるという。事故当時は競走馬として登録を受けるための試験科目をテストしていた最中で、本来なら6日に試験を受けるはずだった。

タクシーと衝突した現場は大型車も頻繁に通行する交通量の多い地点。それにも関わらず馬はクルマを巧みに避けて道路を横断しようとしていたという。ちなみに馬と衝突事故を起こしたタクシーだが、事故扱い上は「軽車両との衝突」と分類されることになるようだ。

エンドル号が競走馬として登録され、出走した暁には馬券が交通事故避けのお守り代わりになるかもしれない。

《石田真一》

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