車上荒らし犯に殺意は形成されない---弁護側の苦しい言い訳

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車上荒らしの犯行現場を目撃し、逃走を防止しようとした当時26歳の男性をクルマではねて殺害したとして、強盗殺人罪に問われた32歳の男に対する論告求刑公判が4日、神戸地裁姫路支部で開かれた。検察側は裁判所に無期懲役を求めている。

この事件は2001年12月14日に発生している。同日の午前2時40分ごろ、兵庫県姫路市内のファミリーレストラン駐車場で、交際中の女性が所有するクルマを物色している男を当時26歳の男性が発見した。

男は仲間の乗るワゴン車に乗り込んで走り去ろうとしたため、男性は駐車場の出口に立ちはだかるなどして一味の逃走を阻止しようとした。ところが男はクルマをそのまま加速させ、男性をひいたまま現場から走り去った。男性は収容先の病院で死亡した。

男はこれまでの公判で「クルマを発進させれば男性は避けると思った。男性がそれを怠ったために事故が起きた」などと証言。事故はあくまでも偶発的に起きたもので、殺害しようとする意思は無かったと強調している。

4日に神戸地裁姫路支部で行われた論告求刑公判で、検察側は「男性が立ちはだかっていたにも関わらず、意図してクルマを発進させており、明らかに殺意があった」と指摘。「そのまま躊躇なく男性をはねるなど、犯行は冷酷かつ残虐で、およそ人間の心を持ち合わせている者とは思えない」として、裁判所に対して無期懲役の判決を求めた。

これに対して弁護側は「検察は未必の殺意があったと指摘し、それによって強盗殺人罪が成立すると主張しているが、被害者が致命傷を負うまでの時間は瞬間的で、被告が殺意を形成する余裕などなかった。よって殺人には当たらない」として、刑の低減を求めている。

判決公判は4月14日に行われる予定だ。

《石田真一》

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