エボVIIIの「4G63」エンジンの 回り方が、“軽々しく”感じてしまうほど、MRのチューニングでは中高速回転域に力強さがある。最高値的には、出力は280ps/6500rpmを継承、トルクが40.8kgmと若干のアップ。
が、実感ではMRとエボVIII、かなりの違いがある。MRは、4500rpm過ぎからトルクの厚みが、あまりにダイレクトだ。ガンガンガーン! と7000rpmのレッドゾーンを突き破っていく。また、「いま、ほしい!」というときに、即、パワー&トルクを呼び起こしてくれるのが嬉しい。
3速で130-140km/h付近のコーナーリングで、姿勢変化を待っていているときや、「いまだ!」と踏み込んだとき、エボVIIIでは若干の待ちがある。その結果、サスAYCの効果にも待ちが生じてしまい、焦る気持ちでジリジリしてしまう。
これは、「ブーストコントロールしている、リリーフバルブの形状変更によるところが大きい」と、布施氏。これまでの2穴形式から、よりより円形状一体化にしたことで、アクセルのパーシャル領域でのアクセルレスポンスが明らかに向上している。
また、タービン自体、MRとエボVIIIは同じだが、タービンノズル径を拡大している。ウエイストゲートソレノイドを2個化し、ブーストが高回転域で逃げずにガッシリとかかる。カムシャフトもややハイカム化されている。
布施氏、松井氏が口をそろえて、「この仕様いいですよね。かなり気にいっています」と本音をもらす。また、サイレントシャフトも軽量化。エンジン自体の静粛性が高まっているだけに、ターボへの吸気音がより増幅されて聞こえてくる。