路面凍結防止のための装置が多重衝突を誘発

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鳥取県警は13日、今月上旬に国道9号線の駟馳山峠(岩美町、福部村)で連続して発生したスリップ事故について、現場から数百メートル離れた地点に設置されていた消雪装置が噴射した水が原因となった可能性が高いことを明らかにした。

タイヤに付着した水が低温によって凍結。これが原因で水気の無い場所に氷が形成されたらしい。

問題の事故は今月5日未明に断続的に発生している。同日の午前4時ごろ、岩美町大谷付近の国道9号線・駟馳山峠を走行していた大型トラック4台と乗用車4台が次々と衝突した。

さらにその1時間20分後の午前5時20分ごろ、峠を挟んで反対側に位置する福部村細川付近でも大型トラックが対向車線側へ逸脱。民家のブロック塀に衝突するという事故を皮切りに、トラックや乗用車など14台が関係する多重衝突事故に発展している。

いずれの事故も運転手の証言などから、発端となったのは凍結によるスリップと考えられた。しかし、現場は氷点下以下の気温だったものの、雨は降っておらず、クルマを滑らせるような氷ができるほどの水分が発生する場所ではなかった。

このため、警察がさらに調べを進めたところ、意外な事実が判明した。両事故の現場から数百メートル離れた場所に設置されていた消雪装置が噴射していた水が通過するクルマのタイヤに付着。それが路面を濡らし続け、結果的に氷ができるほどの量になったようだ。

消雪装置が噴射しているのは温水のため、流し続けている間は容易には凍結しない。だが、タイヤに付着した水分は徐々に冷え、本来は水気が無い場所にも氷を形成してしまう。

そして「タイヤが接地していた部分に氷が残る」ため、通過する車両がこれを避けることは難しく、同じ時間帯に通行していた車両が軒並みスリップするという状態になってしまった。

警察では国道9号線を管理する国土交通省鳥取河川国道事務所に対し、積雪時以外の消雪装置の稼動見直しと、事故現場付近へ凍結防止剤を散布するなどの要請を行っている。

《石田真一》

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