経費削減で信号無視、2人を死傷---懲役5年

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大型トラックを運転中、故意に信号無視を行い、出会い頭に衝突したクルマの乗員2人を死傷させたとして危険運転致死傷罪に問われた60歳の男に対する判決公判が13日、新潟地裁高田支部で行われた。裁判所は懲役5年の実刑判決を命じている。

問題の事故は昨年10月15日に発生している。同日の午前4時15分ごろ、新潟県上越市下源入付近の国道8号線で、60歳の男が運転する大型トラックが赤信号を無視して交差点に進入。青信号に従って進行していた25歳の女性が運転する乗用車と出会い頭に衝突した。

この事故で乗用車の助手席に座っていた31歳の男性が脳挫傷で即死。女性が胸部打撲の軽傷を負った。

後の調べで、このトラックは交差点の前方約300mの地点で信号が赤に変わったのを認知しつつ、速度や燃費を維持する目的から約95km/hの速度で進行し、事故を起こしていたことがわかった。

運転手は調べに対して「想定された経費を下回った際には、その数パーセントが運転手の取り分になるという契約だったため、高速道路を使わず、それでも所要時間は同様という走り方をしていた」と供述。

速度と燃費を維持するため故意に信号を無視し、交差点を強引に突っ切る運転を繰り返していたことを認めていた。

13日の判決公判で、新潟地裁高田支部の板垣千里裁判長は「職業運転手として規範意識が著しく鈍化しており、厳しく指弾されねばならない」と、故意に信号を無視したり、著しい速度違反を続けた点を戒めた。

その上で「結婚を前提として交際していた相手を失った運転者や、遺族に対して容易に癒やされることのない深い悲しみを与えており、遺族が求める処罰感情は察するに余りある」として、懲役5年の実刑判決を命じている。

《石田真一》

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