偽造卒業は運転免許制度を失墜---被告2人に実刑

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暴力団の関係者から求められるまま、実際には教習を受けていないにも関わらず、自動車学校の卒業証明書を発行していたとして、虚偽有印公文書作成の罪に問われた自動車教習所の元経営者と技能検定員に対しての判決公判が18日、奈良地裁葛城支部で行われた。

裁判所は経営者に懲役3年、技能検定員に懲役2年6カ月の実刑判決を命じている。

これは奈良県下市町にあった公安委員会公認の自動車教習所を経営する男が、知人の暴力団員から依頼を受け、実際には教習を行っていないにも関わらず、教習を終了したという扱いにして虚偽の卒業証明書を発行していたという。

当初、この事件はみなし公務員でもある教習員が暴力団員から“脅され”て、卒業証明書を発行していたとされていた。

ところが後の調べで教習所の経営者自身が事件に深く関与しており、積極的に虚偽証明書の発行を行っていたという実態が明らかになった。また、請負代金についても教習所の口座に、通常の講習を受けたものと同額が振り込まれており、発覚しにくい状態を作り出していたという。

18日に行われた判決公判で、奈良地裁葛城支部の高橋文仲裁判長は「運転免許制度に対する国民の信頼を大きく損なった責任は重大だ」と指摘。経営者の男に対しては懲役3年の実刑判決を言い渡した。

さらに技能検定員の男に対しては「ワンマン経営者である上司に背けなかったとはいえ、自己の保身のため、明確な不正を繰り返した」と指摘し、懲役2年6カ月の実刑判決を命じている。

《石田真一》

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